パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の指令を体に伝えるドーパミンという物質が減少することで、スムーズな動きができなくなる病気です。青森市緑にある青森すずき脳神経内科クリニックでは、日本神経学会 脳神経内科専門医である院長が、一人ひとりの患者さんの症状にじっくりと向き合います。ご自身やご家族の動きに違和感があるときは、どうぞお気軽にご相談ください。専門医としての確かな知識と経験に基づき、患者さんが安心して毎日を過ごせるようサポートいたします。
パーキンソン病の症状について
パーキンソン病の症状は、大きく分けて運動に関わる「運動症状」と、それ以外の「非運動症状」の2つがあります。症状の出方や進み方は人によって異なり、数年から数十年かけてゆっくりと変化していくのが特徴です。当院では、患者さんの生活環境に合わせたケアを心がけています。
主な運動症状
運動症状は、日常生活の中で「動きにくさ」として現れます。以下の4つの症状が代表的です。
- 安静時のふるえ・・じっとしている時に手や足が小刻みに揺れます。何かに集中したり、動作を始めたりすると止まることが多いです。
- 動作緩慢・・動きが全体的にゆっくりになります。歩くスピードが遅くなる、歩幅が狭くなる、表情が乏しくなるといった変化が見られます。
- 筋強剛・・筋肉がこわばり、スムーズに動かせなくなります。他人が手足を持って動かそうとすると、カクカクとした抵抗を感じることがあります。
- 姿勢保持障害・・体のバランスが取りにくくなり、転びやすくなります。歩き出しで足が出にくい「すくみ足」が出ることもあります。
日常生活で気づきやすい非運動症状
運動以外の症状も、患者さんの生活の質に大きく影響します。これらは運動症状が出る数年前から現れることもあります。
- 自律神経の症状・・便秘や頻尿、立ちくらみ、異常な発汗などが起こりやすくなります。
- 睡眠のトラブル・・寝ている間に大きな声を出したり、激しく動いたりすることがあります。日中に強い眠気を感じることもあります。
- 心の症状・・気分が落ち込みやすくなる、何事にも意欲がわかなくなるといった変化が見られます。
- 感覚の異常・・においが分かりにくくなる、肩や腰に痛みを感じる、しびれが出るといった症状があります。
ふるえの原因については、当院の「ふるえ」のページでも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
パーキンソン病の原因について
私たちの脳内には、中脳の黒質という部分にドーパミンを作る神経細胞があります。パーキンソン病は、この神経細胞が減少してしまうことで引き起こされます。ドーパミンは脳からの運動指令を筋肉へスムーズに伝える役割を持っているため、これが不足すると「体を動かしたい」と思ってもうまく伝わらなくなってしまいます。
なぜこの神経細胞が減ってしまうのかについては、現在も世界中で研究が進められています。特定のタンパク質が脳に蓄積することが関係していると考えられていますが、多くの場合、単一の原因ではなく、加齢や環境、体質的な要素などが複雑に絡み合って起こると推測されています。原因不明の病気ではありますが、現在では症状を和らげるための優れた治療法が多く存在します。
当院では、このドーパミンの減少による症状なのか、あるいは脳梗塞や他の脳の病気が原因で似たような症状が出ているのかを、1.5T MRIを用いて慎重に判断します。症状の今後の見通し、つまり予後についても、診断の結果に基づいて分かりやすく丁寧にご説明します。
パーキンソン病の病気の種類について
パーキンソン病と似たような症状が出る病気はいくつかあり、それらを総称して「パーキンソン症候群」と呼ぶことがあります。これらを見分けることは、適切な治療計画を立てる上で非常に重要です。
本態性パーキンソン病
中脳の黒質におけるドーパミン細胞の減少が主な原因で起こる、典型的なパーキンソン病です。お薬による治療効果が得られやすいのが特徴です。日本神経学会 脳神経内科専門医による診断が最も重要となる分野です。
二次性パーキンソン症候群
他の明確な原因があって、パーキンソン病に似た症状が出るものです。代表的なものには以下の種類があります。
- 血管障害性・・脳梗塞や脳出血などが原因で、歩行障害や足のふるえが現れることがあります。
- 薬剤性・・胃薬や精神科のお薬、血圧の薬などの副作用によって症状が出ることがあります。お薬の種類を調整することで改善が期待できます。
- 中毒性・・一酸化炭素中毒や特定の化学物質による影響で起こる場合があります。
変性疾患によるもの
進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症など、パーキンソン病と似た症状を持ちつつも、異なる経過をたどる神経の病気があります。これらはMRI検査や身体診察での細かな違いを見極める必要があります。
詳しい脳の評価方法については、「脳・神経疾患の評価」のページを参照してください。
パーキンソン病の治療法について
パーキンソン病の治療は、お薬による「薬物療法」と、体を動かす「リハビリテーション」が二本柱となります。現在の医療では、症状を完全に無くすことは難しくても、お薬によって日常生活に支障がない程度まで症状を落ち着かせた状態、つまり寛解に近い状態を維持することを目指せます。
薬物療法
不足しているドーパミンを補う、あるいはドーパミンの働きを助けるお薬を使用します。
- L-ドパ製剤・・脳内でドーパミンに変わる、最も効果の高いお薬です。
- ドーパミンアゴニスト・・脳内のドーパミンを受け取る部分に直接働きかけ、その作用を補います。
- MAO-B阻害薬・・脳内のドーパミンが分解されるのを防ぎ、効果を持続させます。
- その他の補助薬・・手のふるえを抑えるお薬や、自律神経症状を和らげるお薬などを、患者さんの症状に合わせて組み合わせます。
リハビリテーション
お薬で動けるようになった体をしっかり動かすことが、機能維持に欠かせません。
- ストレッチ・・筋肉のこわばりを防ぎ、関節の動きを維持します。
- ウォーキング・・正しい姿勢で歩く練習をし、足の筋力とバランス能力を鍛えます。
- ADL訓練・・着替えや食事、入浴など、日常生活動作をスムーズに行うための工夫を練習します。
生活上の工夫
家の中の環境を整えることも立派な治療の一つです。手すりの設置や段差の解消により、転倒のリスクを減らすことが可能です。当院は身体障害者指定医および難病指定医の資格を持っておりますので、公的な支援制度の活用についてもアドバイスを行っております。
パーキンソン病についてのよくある質問
Q1. 遺伝する病気ですか?
A1. ほとんどの場合、遺伝することはありません。ごく稀に家族性に見られることがありますが、大半の患者さんは体質や環境、加齢などが組み合わさって発症します。過度に心配しすぎる必要はありません。
Q2. 診断にはどのような検査をしますか?
A2. 診察室での身体診察が最も重要です。専門医が患者さんの動きや反射を細かくチェックします。その上で、脳梗塞など他の病気ではないと判断(否定)するためにMRI検査を行い、必要に応じて血液検査やその他の特殊な検査を検討します。
Q3. 一度飲み始めたお薬はずっと続ける必要がありますか?
A3. 脳内のドーパミン不足を補うためのものですので、基本的には長く続けていただくことになります。しかし、症状の変化に合わせて種類や量を微調整していきます。ご自身の判断で急にお薬をやめることは非常に危険ですので、必ず医師と相談しながら進めていきましょう。
Q4. 認知症になりやすいと聞きましたが本当ですか?
A4. 経過が長くなると、一部の患者さんにもの忘れの症状が現れることがあります。当院は日本認知症学会 認知症専門医でもありますので、心の変化や認知機能についても同時にサポートいたします。気になることがあればいつでもお話しください。
認知症に関する詳細は「もの忘れ、認知症」のページでもご確認いただけます。
院長より
青森すずき脳神経内科クリニックでは、パーキンソン病の診療に非常に力を入れています。この病気は長く付き合っていく必要がありますが、脳神経内科専門医として、患者さんの「今できること」を大切にし、生活の質を維持することを最優先に考えます。丁寧な説明と患者さんに寄り添う診療をお約束します。どこに相談してよいか分からないような小さな体の変化でも、どうぞ安心してお聞かせください。一緒に、前向きに歩んでいきましょう。
